東京から長野へ移住して感じるのは、「安くなるもの」と「意外とかかるもの」のメリハリが激しいということです。「地方=生活費が安い」というイメージだけで移住すると驚くこともあるため、実体験に基づいたリアルな物価事情をまとめました。
食料品:スーパーは東京並み、直売所は激安!

スーパーの品揃えや価格帯は、正直なところ東京とほとんど変わりません。むしろ魚介類などは輸送コストの関係で、東京の激戦区の方が安いことすらあります。
一方、農産物直売所などでは、野菜や果物を激安で手に入れられることもあります。
例えば私は、次のような買い物をしました。
- カブ 1束:50円
- レタス 1玉:50円
- りんご 5個:400円
- シャインマスカット 1房:500円
ただし、直売所でも普通に高いものもありますし、肉や魚は置いていないところが多いので、普段使いはしづらい面もあります。
住居費:固定費削減の最大のメリット

ここは圧倒的に長野に軍配が上がります。
いくつか内見をしましたが、1戸建ての3LDKで家賃10万〜13万円ほど。
東京で同じ条件なら20〜30万円は下らない広さと設備を手に入れられるのは、移住最大の恩恵と言えるでしょう。
ガソリン代と車の維持費:覚悟が必要な出費

長野のガソリン価格は全国トップクラスの高さです。
長年、「山間部への輸送費」が理由とされてきましたが、2025年に県内の石油販売業者らによるカルテル疑惑が浮上し、立ち入り調査が行われました。
しかし、問題が発覚したからといってすぐに劇的に安くなったわけではなく、依然として東京より高い状態が続いています。
また、東京では不要だった「車の維持費(税金、保険、スタッドレスタイヤ代)」が丸々乗ってくるため、家賃の安さがここで相殺されるケースも少なくありません。
インフラ:ガス、水道、凍結防止のコスト

水道代:意外かもしれませんが、水道代は東京より高い傾向にあります。人口密度が低い地方都市では、維持管理費の負担が大きくなるためです。
プロパンガスの壁:私は運よく都市ガスの賃貸を借りられましたが、長野はプロパンガスの地域が多く、都市ガスに比べて料金がかなり高くなります。
凍結防止のコスト:長野の冬は、マイナス10度を下回ることも珍しくありません。給湯器には「凍結防止ヒーター」が内蔵されているので、コンセントは抜かず、リモコンの電源も入れたままにしておくのが鉄則です。お風呂の水を溜めっぱなしにしたり、トイレの水が常時チョロチョロ流れるようにしておいたり…。東京では考えられなかった『凍結防止のためのコスト』が必要になるのも、長野の物価(維持費)の一部と言えるかもしれませんね。
外食と温泉:長野ならではの楽しみ

外食:観光地ということもあり、外食費はそれなりにかかります。一方、東京の名店に負けないクオリティの店が多いのが魅力です。
温泉:入浴料500円ほどで入れる良質な温泉が至る所にあります。ただし、安価な施設では、マイドライヤーを持って行かないと、ドライヤーが有料(3分100円など)のところもあります。事前にリサーチしてから行きましょう。
美容費用など

美容代:美容室やまつ毛サロンは田舎なので安いと思われがちですが、競合店舗が少ないためか、意外と強気の価格設定が多いです。東京のような格安店を見つけるのは難しいかもしれません。
衣服代:もちろん性格やライフスタイルにもよりますが、東京にいた頃よりも流行や周囲の目を過剰に気にしなくて済む環境があるため、衣類への出費は自然と抑えられる傾向にあります。一方、冬の装備が十分でない場合は、それなりに買い足す必要があるので、1年目はコストがかかるかもしれません。
ゴミ袋が有料

東京(特に23区)では指定ゴミ袋がない、あるいは安価ですが、長野県の多くの自治体では指定のゴミ袋を購入する必要があります。
これが1枚数十円程度するので、チリも積もれば山となります。
私の住む上田市では、燃えるゴミ(大)は1枚あたり50円、プラごみ(大)は1枚あたり10円です。東京では無料で捨てられるのが当たり前だったので、「ゴミにお金がかかるなんて…」と、初めは少し抵抗がありました。
まとめ:長野移住で「お財布」と「暮らし」はどう変わる?
長野への移住を物価という面で振り返ってみると、「生活費が下がった」とは言えないのが正直なところです。
- 家賃は破格です。東京では住めない広さの家に住めているので、それだけで生活の質を底上げしてくれます。
- 一方で、ガソリン代、水道代、冬の暖房費といった固定費は東京よりも高くなる傾向にあります。
- さらに、「凍結防止のために水を出しっぱなしにする」といった、寒冷地特有の維持費や知恵も欠かせません。
長野移住は「同じ生活費を払って、より広い家、より新鮮な食材、そして豊かな自然を手に入れる選択」だと言えるのではないでしょうか。
「安く済ませる」ことだけを目的にするとギャップを感じるかもしれませんが、この環境でしか得られない豊かさに価値を感じるなら、長野は最高の場所です。これから移住を考えている方は、ぜひ「冬のコスト」も含めたリアルな予算立てをしてみてくださいね!


コメント